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ベトナム&カンボジア旅行記 ベトナム&カンボジア旅行記


7月14日【到着】   7月15日【市内1日観光】   7月16日【クチトンネル】   7月17日【ホーチミン最終日】

7月18日【アンコールワット】   7月19日【周辺遺跡巡り】   7月20日【自由行動】


【エピローグ】
 

 エピローグ

 
   午後6時、シェムリアップから、ホーチミンへ戻る。
 弟は、ホーチミンからフエ、ハノイへの列車の旅に向け
 ホーチミンに再入国した。
 私たち2人は、トランジットのために航空会社のカウンターへ。

 さあ、名残惜しいけど、これでもう帰るばかり。

 出発まで4時間近くあるけど、その間何してようかなと考えていた。

 チケットをカウンターに出した。

 すると、「あなたの、ホーチミン〜関空間のチケットがない。」と言われた。

 えぇぇっっ!!!(唖然)


 そんな、ばかな!!耳を疑った。そんなはずは。。
 1冊に綴られているチケットの1枚だけが、なくなるなんて。
 普通に持ってて、そんなことって。まるで身に覚えがない。

 「チケットがないなら、この場で買ってもらわないとならない。」
 「しかし、すごく高いから、よく探した方がいい。」と言う。
 そんなこと言われたって、ないものはない。
 心当たりがないし、探しようがない。

 とその時、、ふと思い出した。

 それは、ついさっきまでいたシェムリアップの空港でのこと。

 3人分のチケットをカウンターに出した所
 その内の誰かのチケットの違う区間の所を、間違って切ってしまったようで
 それをホッチキスで止めていた。
 「あ〜、間違って切ったんだ。」と何となく見ていたのだが。。

 あの時にもしかして。
 自分のチケットにも、友達のチケットにも、ホッチキスで止められた跡がない。
 とすると、残るは・・・弟のチケットだ。

 とにかく、電話して弟をつかまえなくては。
 幸いなことに弟は、前に泊まっていた同じホテルに行くということを知っていたので
 急いでホテルに電話した。

 電話に出たのは、日本語をしゃべれるあのおじさんだった。
 弟は、まだホテルに戻ってはいなかった。
 「友達、空港、行ったけど、まだ来てない。」と言う。
 もうとっくに、外には出たはずなのにおかしいなと思ったが
 「じゃあ、その友達に連絡は取れる?」と聞いたら
 「携帯電話に電話してみる。」と言う。
 こっちから電話するしかないので、「じゃあ、もう1回電話するから。」
 と言って電話を切った。

 もう1度、電話をすると、「弟は、まだつかまっていない」と言う。
 一体、どこに行ってしまったのか、もうかなり焦っていた。
 「もう1回電話するから、弟が帰ってきたら、絶対外に出さないでね。」
 と日本語でおじさんに言った。
 おじさんは、「わかった」と答えた。

 そして、また、しばらく待っていた。
 すると、ベトナム航空のカウンターの所にいたおじさんが近寄ってきた。

 おじさん  「君は何でここで待っているの?」

 私     「弟がチケット持ってるのかも知れないので、連絡を取るために待っている。」

 おじさん  「弟さんは、君がここで待っているのを知っているの?」

 私     「いや、知らない。」

 おじさん  「もし、弟さんがチケットを持ってなかったらどうするの?」

 私     「そうしたら仕方ないから、チケットを買う。」

 おじさん  「チケットは600ドルする。決して安くないよ。」

 私     「でも私はビザがないから、外にチケットを買いに行けない。。」

 おじさん  「じゃあ、もし、弟さんがつかまって、チケットを持ってきてもらっても
        君はそれをどうやって受け取るの?
        君は、ビザがなくて外には出られないのに。」

 このオジサンは、心配して来てくれているのか
 私の不安をあおりに来ているのだろうか。

 まあ、確かに、入国もせず、トランジットもせず
 こんな入国審査場の中で待ってるなんて、おかしいんだろうけど、
 しばらく「ほって置いて」欲しかった。

 もう1度ホテルに電話した。

 私     「弟は帰ってきた?」

 おじさん  「はい。」

 私     「じゃあ、代わって!」

 おじさん  「今、いません。ご飯食べに、外に行きました。」

 私     「・・・!!!(え!?なに?)」

 プチッ・・・

 私     「外に出さないでって言ったでしょ!!」

 おじさん  「・・・・」

 私     「弟が私のチケットを持ってるの。それがないと日本に帰れないの!!」

 おじさん  「あなた、今から、ここ来ればいい。」

 私     「私はビザがないから入国できないの!!」

 おじさん  「あなた、外出られない?」

 私     「そう!! いい、今度帰ってきたら、絶対外に出さないでよ!! わかった!!」

 おじさん  「は、はい(焦)・・ わかりまちた。」

 また、しばらく座って待っていた。
 もう、ほんとに落ち着かない時間が過ぎていく。
 弟はすぐに帰ってくるのか。もし遠くまでご飯を食べに行ってしまっていたら。。
 焦りはつのるばかり。

 かれこれ2時間近くが過ぎようとしている。
 もう1度ホテルに電話する。
 今度は、流暢な日本語を話す、女性の従業員さんが出た。
 「弟は帰ってきた?」と聞くと
 「はい、います。」と言ったので、急いで代わってもらう。

 私のチケットは、やっぱり弟のチケットにホッチキスで止められていた。

 とりあえず、一安心 ほっっ。。。

 次は、どうやって受け取るかが問題。
 とりあえず、ベトナム航空のカウンターの人に聞いた。
 さっきの質問攻めにしてきたおじさんはいなかった。
 親切そうな妊婦さんにどうしたらいいか聞いてみた。
 すると、出国カウンターまで持ってきてくれたら
 それを受け取ってここまで持ってきてくれる、と言う。

 ああ、よかった。これで日本に帰れる。(T-T)

 そして、また、座って待っていると、さっきのおじさんが現れた。
 「弟さんとは連絡が取れたか?」
 「チケットはどうやって受け取るんだ?」とまた質問攻めにしてきた。

 聞いてくるのはいいんだけど、聞きにくい英語なんだよね
 「お願い。そっとして置いて。もうすぐここを出て行くから・・」と心の中でつぶやいた。

 そして、弟がチケットを届けてくれて、やっと空港の中に入ることができた。
 喉は渇くし、もうくたくただった。

 それにしても、ほんとに大ハプニングだった。
 今でも一番鮮明に覚えているのは、クチトンネルよりもアンコールワットよりも
 この出来事になってしまった。

 後日、ベトナムから帰ってきた弟に聞いたところ
 空港から帰ってきた時には、ホテルのおじさんは
 「お姉さんから電話」があったということは全く言わなかったそうだ。

 遠くまでご飯を食べに行こうと思い、一旦、外に出たが
 ガイドブックを持っていくのを忘れて、ホテルに戻った。
 すると、ホテルのおじさんが、「お姉さんが大変、大変!」と慌てていたらしい。

 そう、それは丁度、私がかなりキレた電話をした後みたいだった。

 日本語初級者のおじさんに、日本語でまくしたてたのは悪かったなと
 後で思ったんだけど、怒ったお陰で私の焦りは伝わったみたい。

 そして、空港まで、おじさんに送ってもらった弟は、お金をしっかりとられたらしい。
 しかも、チケットをカウンターの人に渡して戻ると
 おじさんはもう帰ってしまっていたそうだ。






7月14日【到着】 7月15日【市内1日観光】  7月16日【クチトンネル】  7月17日【ホーチミン最終日】

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